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『そうできたらベストですけどね……
私はなかなか口にできないからなぁ…』
「それでも……あなたは人を悪く言わないでしょ?
そこじゃない?
直接言えないなら言わなきゃいいのよ……」
ねぇ?ってみさきさんが声をかけた相手は、何度か嫌味を頂いた事ある人……
どっちかというと……流されるまま言ってる感じの人。
ギクッて絵に描いたように焦ったその人は、困ったように笑って逃げてしまった。
『ありがとうございます……』
「いいえ〜。
私…あなたの事、キライじゃないから……。
出会い方は最悪だったかもしれないけど……趣味は合うって事でしょ?」
『あぁ……ですね…』
笑って肩を竦めた私に、みさきさんはニッコリ笑って、切った髪を払ってくれた。
「負けないのよ?
あなたが負けたら、私も負けた気になるから…」
『…はい。
気合い入れます………』
「よし!」
肩をポンッ叩かれて、改めてお礼を言ってる席を立とうとすると、今度はいつもお世話になってる衣装さんが顔を出す。
「小林さん……足、やばいんでしょ?
足出すの、止めとこうね?」
『あぁ……助かります……』
その場でちょっと足を見せたら、みさきさんと2人で驚かれてしまった……。
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作者名:ひな | 作成日時:2023年12月14日 18時