ひまわり８ (ページ31)

今日:22 hit、昨日:43 hit、合計:21,063 hit

381 ページ31

お母さんも普通に話してて、すっかり〝うちの子〟状態になった隼。

結局、同じ新幹線で帰ることにして、駅までお父さんが送ってくれた。

「ありがとうございました。
ホントに…急にお邪魔して……すみませんでした」

ペコリと頭を下げる隼に、お父さんも照れくさそうで……

「Aの事、お願いします」

「はい」

……何か……
私も照れちゃうな……。

来た時は自由席で来たんだけど……隼と一緒でそれは無理で……

「結構混んでるっぽいけど、グリーン車は余裕だね？」

『初めて乗った……グリーン車………』

「ふふふっ…それは良かった」

誰も俺のことなんか知らない……って隼は言うけど、さすがに手を繋いだりとかできなくて…

新幹線の中も念のため他人のフリ…。

東京駅でファンの子に気付かれたっぽくて………
前もって申し合わせた通り、別々の改札から出て、タクシーに乗った。

少し離れたところで合流して、隼は大きなため息をついた。

「なんか……ごめんね？」

『…なんで謝るの？
言ったじゃん…それでも隼がいいって』

「ん………ありがと」

少し笑顔になった隼は、私の手を取って指を絡めて……やっと触れる…って呟いた。