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「親孝行してきて?」

『うん……
でね………隼の事、話してもいい?』


付き合ってる人がいること、話しておきたい。


「もちろん!」

『ちゃんと口止めはしとくから!』

「うん……ごめんね?色々我慢させること多くて……」

ハの字眉の隼に抱きついて、おでこをグリグリ押し付ける。


『我慢しなきゃいけない事が多くても、私は隼がいいので……』

謝らないでほしい…。

「ん……。
俺もAがいいので……お願いします」


一人寝を想像するだけで寂しい……と大きなため息をついたけど…

「あれ?
そう言えば、母ちゃんいないんだっけ?」

急に元気になっちゃった。


「あ……そうだ!思い出した………
ってかさ…あの上着………誰かに渡してたよね?」

最初はいつものようにイチャイチャしてたのに……

急に声が低くなって……眉間にシワを寄せて難しい顔をしてる。

本番前にフロアにいたスタッフさんに預けたけど……


「あのさ…ポケットに電話番号入ってたよ?
連絡してって………」

『え?……私に?』

隼の上着だし……隼にじゃなくて?


「ピアノ、ステキでした………ってよ?」

『……知らないよ?』

「…だから嫌なんだよ」


上着のポケットに外したピアスを入れてたのを思い出して漁ってたら、紙が出てきたんだって…。

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作者名:ひな | 作成日時:2023年10月12日 20時

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