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「ありがとう!」

『こちらこそ……貴重な経験させて頂きました!』


本番は無事にミスなく終了。

預けた上着を手に楽屋に戻ると、隼はいなくて……ラジオの時間だからと慌てて帰ったらしい。


「一緒に帰ろ!」

「送ってくで〜!」


一人、トイレで着替えて出てきたら、楽屋の前で涼太くんと龍友くんが待っていてくれた。

ジェネ号で帰ろって。


『いいんですか?』

「うん!ナベちゃんがいいよ〜って!」

『……え?ゴリ押ししてません?』

「いえいえ、大丈夫ですよ?」


優しい渡辺さんにも誘ってもらって、3人であれこれ音楽談義に花を咲かせながら帰って来た。


「お疲れ!」

「たぶん今度会えるのは年明けかな?
良いお年を!」

『ありがとうございました!
良いお年を!』


挨拶してマンションに帰って来たら真っ暗で……

あっそうか……
クミちゃん、実家に帰ってるんだった……。

ゆっくりお風呂に入ってから、リビングのソファーで隼の帰りを待ってたのに、いつの間にかベッドで寝てて……

ガチャってドアが閉まる音で覚醒。


「ごめん!起こしちゃった……」

お風呂上がりでポカポカの隼が、隣に潜り込んで来て、思わずぎゅっと抱きつく。

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作者名:ひな | 作成日時:2023年10月12日 20時

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