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「あれ?苦手だったっけ?」
困った顔の涼太くんに首を横に振り、涼太くんにも小森さんにもお礼を言って一口飲む。
『美味し……』
「でしょ?隼のコーヒーうまいんだよ?」
私…顔赤くなってないかな……。
美味しいって言って顔を上げたら、小森さんが笑ってくれてて……
その笑顔に完全に撃ち抜かれました……。
…どうしよう。
この紙コップ、記念に持ち帰りたいくらいだ…。
「何考えてるか、当てていい?」
『やめてもらっていいですか?』
お互い小声で言い合って……涼太くんはいつもの悪い顔。
龍友くんも面白がっていて…クスクス笑ってる。
「なぁ……Aちゃん?わかりやすいって言われへん?」
『え……わかりやすいですか?
………って何を?何が?』
「かわいいなぁ〜。よぉしよし!」
あたふたする私をニコニコ笑った龍友くんは、私の頭に手を乗せると犬にするかのように混ぜた。
『私は犬じゃないんですけど……』
苦笑いで髪を手ぐしで整えると、眉を寄せた小森さんと目が合って……思い切り逸らされた。
………あ…泣きたいかも。
煩い女って思われたかな……。
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作者名:ひな | 作成日時:2023年8月23日 18時