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一瞬……息ができなくなって………
その場に倒れちゃうかと思った………。


…反則だよ…そんな事言うの。


悶えそうになるのをグッと堪え、一瞬止めた足を動かした瞬間……目の前に現れた佐倉先生……。


「小林先生だ……今帰り?」


え……何でここに?
家、この辺じゃないよね……確か。


「ん?知り合い?」

小森さんに聞かれ、同僚だと答えると少し眉を寄せたのが見えた。

誤解…されたくないな……そう思った時、小森さんは笑顔になり、佐倉先生にペコリと頭を下げた。


「Aがいつもお世話になってます」

「あ……いや僕は………」

佐倉先生は少し狼狽えて……視線が泳いでる。


「A……行こっか。
じゃ、失礼しま〜す」


小森さんは耳元で小さく謝ってから私の手を取り、片手で自転車のハンドルを操作しながら押していく。


「ごめん……」

こんな状況でそんな一言なのに、耳元で囁かれた破壊力……!

真っ赤になった顔を見られたくなくて俯くと、少し足を止めた小森さんが頭に手を乗せた。

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作者名:ひな | 作成日時:2023年8月23日 18時

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