ひまわり (ページ7)

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「え……いや」

ちょっと困った顔したけど、ポリポリとこめかみのあたりを掻いて笑顔になった〝ひまわり君〟は、ペコリと頭を下げる。

「ホント、ごめんなさい。
ありがとうございます………」

『いえ。常連さん…ですし………』

サラダとヨーグルトをビニール袋に入てからレジにお金を入れ、彼の顔をチラッと見ると、目が合ったのに、恥ずかしくて彼の手元を見てしまう。

…大きい手………。
男らしくてかっこいいな。

「いつもこの時間……いるよね？」

『え？』

顔を上げるとニコッて笑ってくれる。

「明日………は来れないから……」

……あぁ……そうか…今日は金曜日だった……。

「月曜日には必ず返します！」

『あ……ハイ。いつでも大丈夫です』

笑顔の彼は、ビニール袋を手にペコリと頭を下げてから帰って行った。

…やったぁ。
たくさん話しちゃった……。

やっぱり…笑顔がステキだな………。

その後、なんとなくフワフワしてしまったのは……
恋する乙女にはしょうがないってことで。

『店長？上がりますね？』

終了の時間になり、店長に声をかけると伝票整理をしてたようで、パソコンに向かってしかめっ面。

「気を付けて返ってね！」

顔を上げて笑顔になった店長に挨拶して店を出ると、自転車のペダルに足をかけて空を見上げた。

星は見えなかったけど………

その日は、眩しいくらいの星が見える気がしたんだ。