ひまわり (ページ45)

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これから予定があるという涼太くんに合わせて、私も店を出て、歩いて駅に向かう。

…今日はそんな遅くないしね。

普段あまり来ない街だし、探検しようと少し歩いていたら小さなカフェがあって……思わず中に入る。

カラン…とキレイな音のベル。

店内は落ち着いた雰囲気で、ドアをあけた瞬間に〝当たり〟だと確信した。

優しい笑顔のマスターに促され、カウンターの隅に座ると、メニューを眺める。

…すごい………コーヒーだけでこんなにたくさん。

『あの……あまり詳しくなくて………』

「大丈夫ですよ？
どんなのがお好みかな？まろやかな方がいいのか…苦味が強い方が好きなのか……」

マスターは詳しくないと言う私に嫌な顔１つせず、柔らかな口調で話してくれる。

「じゃ、これだな……待ってて？」

『お願いします』

話しながら好みを伝えると選んでくれ……目の前で丁寧に淹れてくれる。

『あぁ……落ち着く…………』

いい香りに目を瞑ると、１日の疲れが和らぐ気がした。

「お疲れですか？」

目を開けると、マスターの優しい笑顔…。

どうぞ……とカップが目の前に置かれ、一口飲んで驚いた。