35 ページ35
「ねぇ……後で聞きたい事あるんだけど?」
少し離れた小森さんに聞こえないように側に立った涼太くんは、小さな声で話すとニヤリと悪い笑顔を見せた。
『えぇ………無理………』
「なんだよ〜。
何聞かれるか分かってる感じやん?」
察しがいいってまたニヤリと笑うと、ポケットから財布を出した。
『あ!そうだ……この前のタクシー代のおつり……』
「そんなのいいよ?
また誘うからさ……その時に使ってよ…ね?」
『む…………。ハイ、ありがとうございます』
「素直、素直!
何か後ろめたいのかなぁ?」
……くそぉ……。
完全におもしろがってる。
「あ……これ…」
小森さんがサラダとプロテインバーを持って戻ってきて、カウンターに置くと涼太くんを軽く睨む。
「一緒にお願いします」
そんなの気にしてない感じの涼太くんは、小森さんの分も一緒に払うとクスクス笑ってる。
「Aちゃん、また後で連絡するわ!」
『あ…はい…。また』
私がペコリと頭を下げると、涼太くんは満面の笑みで…小森さんは不機嫌そうにコンビニを後にした。
…もぉ………心臓に悪いぞ………?
129人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひな | 作成日時:2023年8月8日 23時