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『はい。今日のレッスンはここまで!』

「ありがとうございましたぁ〜!!
先生またね〜!」

『気を付けて帰るのよ?』

「はぁ〜い!」

元気に走って帰っていく子どもを見送り、レッスン室を片付けると、腕時計を見た。


……やば…もうこんな時間だ…。
急がないと……。


『お先に失礼します』

他の教室に残ってる同僚達に挨拶してからエントランスに出ると、先輩に声をかけられて足を止める。

…急いでるのに!……とは、さすがに言えない。

「A先生…この後、ご飯でも行かない?」

『すみません………。
用事があって………』

「あ……そんなんだ…。
じゃあ、また誘っていい?」

『あ……はい』


一応肯定的な返事をしたものの………

誘ってもらっといて何だけど……
この先、彼の誘いを受けることはないだろうなぁ……。

『お疲れさまでした』

笑顔を作りつつ挨拶をして、そのまま自転車を飛ばしてアパートに帰る。


…こんなことなら、直接行けるように用意しとけばよかった………
……と、後悔してもあとの祭り。

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作者名:ひな | 作成日時:2023年8月8日 23時

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