Someday My Prince Will Come（15） (ページ40)

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『私がディレクションなんて……滅相もない！』

慌てて首を振るけど

「またまたぁ〜」

ってニヤリと笑う龍友くん。

「聞いたで？耳、めっちゃいいらしいやん？
ちょっとしたピッチのズレも、全部分かるんやろ？
ファンタのボーカル決めたんも、その耳やって？」

『それは言い過ぎです！』

ハードルを変に上げないで頂きたい！！

「まぁまぁ……龍友くん。
そこは……」

困ってますって顔の私を気にしながら涼太くんが流してくれたけど、まわりの視線が痛いくらい集まってるのがわかる。

「…A、困ってるから………」

涼太くんが、こそっと呟くように龍友くんに話すと、「ごめん」って苦笑しながら私を拝む。

『私ができる範囲でお手伝いしますので……』

私も苦笑いで返すと、

「お願いします」

って笑顔になるボーカル２人。

『今日は……ちょっと困っちゃったなぁ……』

夜、涼太くんと一緒にベッドに入って思い出すように話すと

「お手本みたいな苦笑いしてた」

たぶん、私以上にハの字眉。