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『世界くん、聞いてるの?』

「聞いてる聞いてる」

ごめんって!とあやまりながら、

「ほら……ジェネも今日は遅くならないみたいよ?」

世界くんが見せてきたのは、涼太くんとのトークルーム。


[もうすぐ帰れます!]

ってメッセージとありがとうございますってスタンプの前は、

[姫がご乱心]

って、世界くんから涼太くんへ送信されたメッセージ。


『……ご乱心…』

復唱して苦笑い。

確かにご乱心。


「姫、王子が帰る前に帰ろうか?」

パッと食べ終わり、大輔くんに声をかけてお金を払うとタクシーを呼んでもらう。

やっぱり、私には1円さえ出させてはくれなかった。


『ねぇ世界くん?』

「ねぇムーミン?みたいだな」

横でクスクス笑う世界くんの膝をパシッと叩き、真剣に聞いてほしいと拗ねてみる。

「ごめんごめん」って笑いながら、「どした?」って優しい笑顔。

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作者名:ひな | 作成日時:2023年7月2日 17時

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