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「兄貴みたいなもんだかんな」

そう言って私の頭を掴むと、杉下さんをチラッと見ると

「だからさ、俺の前でこの子に手を出すとか……
やめてくれる?」

少し低くなった声に、杉下さんも表情を変えたけど

「まだ手は出してないですよ?」

って不貞腐れてる。


「まだって……出すつもりだったの?」

さすがに苦笑いの世界くんに

「あわよくば」

って笑顔になった杉下さん。


「すごいね……」

もう呆れるしかないって表情の世界くんに無言で頷いて、

『あわよくば……とか、絶対に無いので』

と杉下さんを見つめる。


「うわ……怒った顔もかわいい………」

そう呟いた杉下さんには心底呆れたけど……

どんなに笑顔を向けられても、かわいいと言われても、心一つ動かない。

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作者名:ひな | 作成日時:2023年7月2日 17時

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