585 ページ35
『あの………。
私が作った曲、ジェネの新曲に選んで頂きました……』
私が話すと「マジで?」って叫んだ後で
「すげぇ…」
って呟いた。
新曲の候補を聞いたとき、私が作った曲が入ってなかったから、スタッフが選考した時点で落ちてたと思ってたらしい。
『高橋さんから、どこにも出してないやつないかって言われてて……人に聞かせたことないやつ提出したから……。
それに偽名だったでしょ……?』
その偽名はさっき村井さんから知らされたけど……
私の名前なんて想像もつかないものだった。
さすがにコンペに通ると思ってなくて………驚き半分、喜び半分だと話すと
「すごい嬉しい報告や……ありがと」
って優しい声のあと、
「で?どうした?……なんかあった?」
って声とパタパタ歩く足音。
「報告だけで……仕事中に電話かけてこんやろ?」
言ってみ?って声は柔らかいけど……きっと表情は違うんだろうな………。
『ん?嬉しすぎて、報告したくて……』
イチかバチか言ってみたけど
「A……?言って……?」
完全に低くなった声に『ごめん………』って謝ると
「謝れとか……言ってないやろ?どした?」
って優しい声に戻った。
153人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひな | 作成日時:2023年5月9日 23時