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そんな優しい世界くんに告白したのは、上京するって聞いた時。

海外でダンスしたり、あちこちレッスンに行ってたのは知ってたけど
いよいよ本格的に上京するって聞いて、思いを伝えた。

見事に、そういう風に見れないって断られ、その日だけ思い切り泣いた後、無理もないなって妙に納得したことを昨日の事のように覚えてる。


「彼氏…いないの?」

『今は…いないね』


「え?今は……?」

『うん……今は……』


「聞いてない……」

って怖い顔になった世界くんが、

「どんな奴?」

って眉を寄せる。


『結構前の話だよ?』

って言うけど……
不貞腐れながら歩く横顔を見て、なんかおかしくなる。

「何笑ってんの?」

って拗ねてる世界くん……

『かわいい……拗ねてる』

「煩いよ……。
大人をからかうじゃないよ!」

ブツブツ言いながらも、私の歩幅に合わせてくれる。


『世界くんよりいい男…なかなかいないんだもん』

って呟くと、

「へ?」

って驚いて慌てるけど……


『なんてね〜。さすがに私も、もうそんな気ないよ?』

って言ったら安心した表情になるのはちょっと癪だな…。

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作者名:ひな | 作成日時:2022年11月21日 21時

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