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一緒にリビングに戻ったけど、お父さんはいなくて
気を使ったらかわいそうって言って、
書斎に行ったみたい。
『気を使わせてしまって…申し訳ないです……』
って言うと、
「お父さんも、何となく気恥ずかしいのかもね……
息子の大事な彼女と話すの」
ってチャーミングに笑う。
一緒にソファーに座り、お茶を頂いてたら、
何度もバイブしては切れるポケットのスマホ………。
着信履歴なんて見なくても、誰かなんて分かりきってて……。
私の仕草で、お母さんも電話が来てることは気付いてるけど、
何も言わずにいてくれて……
だけど、何度目かで
「涼太やろ?出てもいい?」
って微笑んだ。
よく考えたら、母親の前で無視してるって
まずかったかも……って思ったけど………
通話をタップして、お母さんに渡すと
「もしもし?涼太?」
って何故かちょっと楽しそう。
「は?」って驚く涼太の声がスマホ越しに聞こえ、
「うるさ……」って苦笑しながら、
一度スマホを離したお母さんは、
また耳に近づけ、
「お母さん、自分の息子より
Aちゃんの味方していい?」
って一言。
何か焦りながら話してる涼太の声がかすかに聞こえるけど……
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作者名:ひな | 作成日時:2022年11月11日 18時