心のままに 12 (ページ46)

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一緒にエレベーターに乗りながら

「で……？

どこに家出してたの？」

ってニヤニヤするから

『大阪の片寄さんのお宅に………』

って言うと

「なにそれ…

涼太の実家？……ウケんだけど！」

って笑い

「捨てられるかもって焦ってたみたいだけど、

そんな心配いらないやつじゃんね？

別れようと思ってる男の実家に、

わざわざ家出しないよね〜」

って。

「ちゃんと仲直りしたの？」

って心配そうな顔のナオトさんに、

笑顔で『はい』って答えると

「良かった〜」

って微笑んで、

「妹が幸せだと、お兄ちゃんも幸せです」

って笑って、エレベーターを降りて行った。

いろんな人に心配かけちゃったなぁ……って思いながら

総務のフロアに行くと

私のデスクに座る、見覚えのある後ろ姿。

まわりのスタッフさんと談笑しながら振り返り

「おっ！来た～！」

って笑顔のタカヒロさんに

『おはようございます』

って駆け寄ると

「今日もかわいいなぁ……うちの子」

って笑ってから

「誕生日おめでと〜！」

って紙袋を差し出された。

「え？Aちゃん、今日、誕生日？」

まわりの人に言われ

「ホントは……一昨日？だったんだけどね〜」

俺、仕事でこっちいなかったから……って

タカヒロさんが笑顔で答えてくれた。

私の誕生日、覚えててくれたなんて

感激以外、

なにものでもない！