心のままに 12 (ページ22)

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ゆきちゃんの服の中から、着れそうなものを貸してもらい……

腫れた目を何とかごまかしてバイトに行くと

昼過ぎ、玲於くんと隼くんが私の事を覗きに来た。

『生存確認ですか？』

涼太に、様子見てきてって頼まれたのかな……。

ふたりとも、眉を思い切り下げて困った顔してるし…。

『巻き込んでごめんなさい』

って謝って

『大丈夫ですよ？』

って笑顔を作るけど

「大丈夫そうな顔してないじゃん…」

って苦笑された。

「言いたいこと言えるチャンスなんじゃないの？」

って言う玲於くんに

『ありがとうございます』

って返してみたけど………

言いたいことってなんだろう。

バイトが終わって…

スマホの電源を入れたら、

すごい量の着信とメッセージがあって…。

けど……部屋に帰って来たものの、

なんかソワソワして落ち着かず……

涼太からのメッセージは開けないまま

連絡を入れてみた。

急だったけど、快く受け入れてくれ

お泊りの用意をして、部屋を出ると

さっき歩いて帰って来た道を戻る。

逃げてしまった自覚はある。

涼太と向き合う勇気がなくて、

先延ばしにしてるのもわかってる。

でも………

すごく迷惑かけちゃうけど………

今夜は……甘えさせてもらおう。

新幹線から電車へ乗り継ぎ、

タクシーで家に向かうと

笑顔で迎えてくれた、涼太のお母さん。