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もう帰ろうかって言い出した頃には
日付も遠に変わってて……
程よく……を通り越し、
久しぶりに完全に酔ってる自覚ありの私。
いつの間にか、千秋が滝下さんを呼んでて
タクシーで送ってもらうと、
エントランスに涼太がいた………。
一瞬で酔がさめるような鋭い目をしてて……
私の横を素通りしてタクシーに近寄ると
何か言った後で頭を下げて戻って来た涼太。
千秋はタクシーに乗った時点で寝てて…
滝下さんと話してたんだろうけど……。
「ほら……帰るよ?」
って手を引かれ、エレベーターに乗るけど……
空気がものすごく重い……。
やっぱり…怒ってるみたい。
涼太が玄関の鍵を開け、
振り返りもせずにスタスタと歩いてキッチンへ行くと
お水を取って戻って来た。
「飲みな?」
って渡され、手に持つと
涼太は、大きなため息とともにソファーに座り、
台本を読み始めた。
『ごめんなさい……』
呟くように言うと
「謝るなら……こんな時間まで飲むな」
って……低い声。
「帰ったらおらんし、
電話かけても出ないし………
飲みに行くのは全然いいけど、連絡くらいしてよ。
滝下くんから連絡来なかったら
警察に行くとこやったで?
女の子がひとりで出歩く時間やないやろ?」
って台本から目を上げて、眉を寄せる。
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作者名:ひな | 作成日時:2022年11月11日 18時