心のままに 10 (ページ49)

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「ピアノ、頑張ってみようって思ってるんでしょ？

それなら余計に、引っ越しはプロにまかせよ？」

わかった？って念を押され………

反対することなんてできなくなってしまった…。

「めっちゃ不満そうやけど……」

ってクスクス笑う涼太を軽く睨むけど、

「睨んでもダメやで？

睨んでも拗ねても、かわいいだけやからな？」

って。

やっぱり少し腑に落ちず、ちょっと考えてたら

「もぉ……むくれるな……」

ってため息まじりに言って、

ソファーに足を乗せ、私の方を向いて

ぎゅっと抱きしめられた。

「俺のかわいい頑固娘…

頼むから、今回は言う事聞いて……？」

優しい声に、

『はぁ……い』

って拗ねながらも返事すると

「よしよし」って頭を撫でてくれ、

「年末は忙しいけど、年明けは休み取れるからさ…

一緒に大阪帰ろうよ」

って。

年に一度のお嬢様も、

これからはしなくていいんだし、

引っ越しをパッと終わらせて、

ゆっくりしよって話す涼太。

「母さんが、A連れて帰ってこいって

煩いんだよ」

って苦笑してから、

最近引っ越した先輩がいるらしく、

色々聞いてみるって。