心のままに 10 (ページ30)

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『ん……ありがと…』

そう言って頷いて、涼太にもたれると

髪を撫でながら

「なぁ……ちょっと変なこと言うていい？」

って。

『ん？何？』

「怒らんでな？」

『え……？……何？』

「いや、やっぱり……」

『もぉ…何？』

「怒らんでよ？

………ちょっと弱ってるA…かわいい……」

『なにそれ……』

「怒んなって言ったやん……」

『怒ってないし…』

「怒ってるやん……」

……そう言ったあと、くすりと笑い

「Aが落ちてたら……

もちろん心配なんだけどさ…

甘えて、頼ってくれるのは

嬉しかったりするんだよね…。

必要とされてるんだなぁって…

俺が存在する意味…みたいなのが

そこにある気がして」

『バカ……』

って私が言うと、

「バカやで？

自分でもわかってる」

って苦笑して、

「そろそろ寝よ？」って横になり、

おいでとマットレスをぽんぽんと叩く。