あなたに会えたから８ (ページ13)

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クスクスかわいく笑ってるけど、手はもうかわいくない動きで……

「俺も鬼じゃないから………余力は残させてあげるよ？」

って、言いながらあちこちにキスを落としていく。

『鬼じゃないなら、我慢しま…せんか……？』

唇と指に翻弄されながらも、一応聞いてみたけど

「却下………

このまま止まれるわけないやん？」

って。

「そろそろ黙ろうか……？

ってか、Aも、もう後戻りできないよな？」

って妖しく笑う。

「あっ……ちなみに、ちゃんと持ってきてるから、ご心配なく！

順番は守ります！」

どこから出したのか、銀色の包みを見せてニッコリ……。

参りました…………。

余裕を持ってバイトの用意ができるはずが………

結局、バタバタでアパートを飛び出した。

「いってらっしゃ～い！」

って笑顔で送ってくれたけど、つい

『行ってきます』

って、軽く睨んでしまった。

開店前のカフェに飛び込むと、マスターと由実さんと、もうひとり長身の男の子。

私の代わりにバイトに入ってくれる大学生で、歳は私の三つ下らしい。

「山口修哉です！よろしくお願いします」

爽やかイケメン……海に来たお姉さん達をトリコにする気だな……。

まぁ…涼太さんには敵わないけどね〜なんて思いつつ、私も自己紹介して笑顔で挨拶する。

『忙しい時に、お休みありがとうございました！』

ってお礼すると、

「常連さんたちが、Aちゃんいないの？ってうるさかったのよ？

辞めたらみんな泣いちゃうかもね〜」

って由実さんに言われた。

「Aさん、いつまで来れるんですか？」

って聞く山口くんに、

「それは、修哉次第！」

ってマスターに言われて、

「Aちゃんを待ってる人がいるから、早めに返さないと大変らしいぞ？」

って笑ってる。

「何すか…それ〜」

って言いながら、開店準備をさせられてる山口くんから離れて、私もエプロンを着けてると、

「朝、会ったよ！Aちゃんの彼氏！」

って、こっそり側に来たマスター。

『え？あぁ……！

マスターも朝、乗ってたんですか？』

うんうんって頷くマスターが、

「龍友も後で顔出すって言ってたよ？」

って。

「めちゃくちゃ好青年よな？

あの真逆な二人が同じグループって……普通、想像つかんよ？」

ってクスクス笑う。

ですよね～って笑ってると、開店の時間になった。