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「亜嵐さんのお母さん、今日も飛ばしるなぁ……」
ってクスクス笑う壱馬君と陸さんから、陽気なおばさま方は、亜嵐さんの親戚って聞いて、納得……。
亜嵐についてがいつも底なしに明るいのは、お母さんの血かな…なんて思ったり。
開場が暗くなり、ファンファーレが響く。
あ…これこれ………。
この音聞くと、始まるって気合いが入ったな……。
キッズの子と袖で待機してて、いつもモニターで見てたけど……生で見たらすごい迫力！
メンバーさんの登場に、思わず涙が溢れそうになる………
すごい…とにかく、すごい。
いつも仲良くお話してたキッズの子たちが、メンバーさんの間に入って笑顔で踊っていて、立派になって…って、親目線になってみたり。
ダンサーさんたちが仮面をつけて踊る演出を、ジーッと見ていた北人君が
「やっぱ…すげぇや……ジェネさんの演出………」
ってため息をついて……それでも目はキラキラ輝いていて…
後輩だけど、仲間であり、ライバルで……
そんな関係が少しうらやましい気がした。
メンバーが、女性ダンサーさんとトロッコに乗って近くを通って……
関係者席……というより、１画は保護者席のようになってて、まわりの女の子の悲鳴のような声に、ちょっと照れてる感じ……？
ですよね…
息子さんたち、大勢のファンの前でイチャイチャして、悲鳴あがってますから……。
私もなんか……直視できない。
「あの…姐さんに質問してもいいですか？」
って、壱馬君が北人君越しに声をかけて来た。
「あぁいうのって……どうな気分ですか？彼女として………」
って。
冷やかしてる感じは全く無くて…どちらかと言うと、心配してくれてるのかな……。
『正直、複雑で……直視できないです…』
って苦笑いで答えると、ですよねぇ〜って。
演出なのわかるけど……ってとにこですよね〜なんて、真面目な顔でトロッコに視線を戻した。
女性ダンサーさんと絡んでるのは知ってたけど、実はちゃんと見るのは初めてで……
いつも、この次の曲のために、キッズダンサーたちと待機してたからな……なんて考えてたら、
あ…
レオ君がこっち見てる…？
は？って言ってるのが見えて、笑いながら手を振ると目を丸くした。
「めっちゃ驚いてますね？」
実は来てることを秘密にしてたと話すと、北人君が笑ってた。
メンバーさんたちが順番に側を通り、みんなそれぞれに
え？
は？
あ！
ってな顔して笑って行く。
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作者名：ひな | 作成日時：2022年5月13日 23時
