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マスターや由実さんにも改めて「娘をお願いします」って挨拶して、「また明日ね〜」って手を振ってお店を後にした。
「ステキなご両親だね?」って由実さん。
そうなんです!ステキなんです!
『ホントの娘みたいに大事にしてくれるんです』
って話すと、
「ってことは、彼がホントにAちゃんを大事にしてるんだね?」
ってニコニコ。
「初めてここで会った時の顔を思い出したら、ちょっと心配だったけど……
なんか安心して嫁に出せる!」
って笑ってて……
少し泣きそうになったけど、
「はい!仕事しますよ〜」ってバシッと背中を叩かれて、『はい!』って気合いを入れた。
涼太さんは今日はライブの合間のオフで、一日中体のメンテナンスだったんだって。
明日の最終公演を思いっ切り頑張るために、色んなケアしてきたって、
バイト終わりに電話したら話してくれた。
『温泉、すごく嬉しそうだったよ?』
お母さん達の様子を知らせたら、
「あぁ…、親孝行を形にしてみた」
って笑っていて……たぶんすごく照れてる。
「Aが親孝行してって言ってくれなかったら、してないと思うんだよね…ありがと」
って笑ってて……
明日の夜、会ったら、A孝行するからな?って。
『けど、打ち上げでしょ………?絶対飲むよね?
いつかみたいに、記憶無くすまでは飲まないでよ?』
って笑うと、
「Aが来るのに、そんな事になったらもったいないから、あんまり飲まんようにする!」
って……ムダだと思うけどな…その決心………。
ライブの日、昼過ぎまでカフェにいて、開場の少し前にお母さん達と合流した。
スタッフさんに関係者席まで案内してもらって席に行くと、
「ごぶさたしてます!」
って挨拶をはじめ、
「娘なんですよ〜」って笑顔で紹介してくれたのは、レオ君のお母さん。
「え?涼太君、ひとりっ子じゃなかったですか?」
って声に、すました顔で「いずれ娘になる予定」って笑ってて……
「あぁ〜、そういうこと!
うちのレオも早く落ち着かないかなぁ…」
なんて…レオ君のお母さんはうらやまし〜って嘆いてる。
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作者名:ひな | 作成日時:2022年5月13日 23時