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ある程度の片付けや洗濯をしてから料理に取りかかり、夕食の準備ができた頃に寝室へ様子を見に行くと……
ベッドの端でぐっすり寝る涼太さん。
側に座り、涼太さんの髪を撫でると、目を開けた。
「今…何時?」
もぞもぞ動いて、私の膝にぴったりとおでこをくっつけると、
もう一度目を閉じた。
時間を伝えると、
「結構寝てたな……」
って。
『体調…どう?
なんか……熱、少し上がってない?』
さっきより熱い気のするおでこに心配になって聞くと、
「いや………。
体は軽くなってると思う。
スッキリした感はあるし……」
『それならいいけど……』
って私の声に、
「全然いいと思ってない声やな〜」
ってクスクス笑う。
「ホントに大丈夫って。
ぐっすり寝たから、調子いいよ?
なんなら、もう一回したいなぁ……ってくらいやけど?」
クスクス笑いながら私の手を取って握り、指や手の甲にキスをする涼太さんは……
軽くため息をついて…
「指輪……外すなよな………」
って…泣きそうな声。
「昨日から思ってた……。
腕時計も、俺があげたのじゃないやつしてたし…
指輪もしてないし…。
外すなよ……頼むから………」
『ごめんなさい……。
だって……もう、涼太さんの側にはいれないと思ってたから……』
覚悟を決めて外して、仕舞ってあることを伝えると
「そんな覚悟…、いらんからな?」
って……。
「っていうかさ………カフェでバイトって………大丈夫なん?」
……余計な虫がつかないか心配なんやけどって、ジト目で見上げる。
『私に声かけるような人…いないよ?』
「アホかって……ここにおるやん……」
拗ねたように言うから
『ここにいる人が特殊なんだよ………』
って返すと、「うわぁ……かわいくねぇ……」ってケラケラ笑い、起き上がった。
『さっきはかわいいって言ってくれてたのにな……』
わざとらしく拗ねると
「かわいくないとこまでかわいい!」
って笑顔でキスをされた………。
負けた……涼太さんの甘さには、何をしても降伏です…。
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作者名:ひな | 作成日時:2022年5月13日 23時