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「ホンマにごめんな……来てくれてありがとう……」
そう話す数原さんを、ベッドから少し頭をあげてチラッと見た涼太さん。
その目は何か言いたそうで……。
「あいつ、また話聞いてへんで……絶対…」
って、私の耳元でコソコソ話す数原さんに
『……ですね…』
って頷く。
「涼太さんは明日の午前中に退院で、自分が迎えに来ます。
都合つけて、１日オフにしたので……。
ボーカルリハは無しにしてもらってますが、全体リハはあるので、龍友さんは入時間15時でお願いします」
医師達が病室を出ると、マネージャーさんが数原さんに説明してる。
なんとなく聞きながら涼太さんを見ると、パチッと目が合った。
涼太さんはずっと私を見てたみたいで………
「涼太、じゃ…Aちゃん送って帰るわぁ」
「はい？……何言ってるんすか…置いといてくださいよ………」
聞きたいこといっぱいあるんで…と低い声……。
「っつーか、なんで龍友君がAを送るんですか？
住んでるとこ…知ってるんですか？
ってか、ここに呼んだのも龍友君ってこと？」
少し息があがった状態で、きつそうにおでこに手を当ててる涼太さん。
「僕が呼んでん……Aちゃんの事。
お前が意識戻らんって、マネから言われて……来てくれって頼んだ」
「なんで連絡先知ってるんですか？」
涼太さんの声は軽く苛立ってる。
「ちょっとな……。たまたま偶然会って……涼太に居場所を教えないかわりに、連絡先交換してん。
なんかあったときに、連絡せなと思って……
遅かれ早かれ…こんなことになる気がしとったからな…」
反対に、ちょっとドヤ顔な数原さんに、涼太さんは
「言ってくださいよ………。どんだけ俺が探してたか……」
って……。
苦しそうな涼太さんの声に、胸が押しつぶされそうになる。
「言えるか…。
Aちゃんと約束したもん…な？」
数原さんは私を見て少し笑って、ふぅと息を吐いた。
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作者名：ひな | 作成日時：2022年5月13日 23時
