SHINE (ページ16)

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なんとなくだけど、私を探してくれているのかな…色んなところを見ながら歌ってる。
ファンサービスかなぁ。

えっ…今、目があった…？

相方さんの龍友くんが歌ってる間に、私と目があった気が…。
こちらを見て、微笑んでるような気がする。

その後も違うところを見たりするけど、やっぱり時々目が合うような。

私は目が反らせず、ずっと涼太くんだけを見つめてしまう。

絶対そうだ。
見つけてくれたんだ。
嬉しいんだけど、100%楽しめていない自分に自己嫌悪して、なんとなく複雑な気分。

「君のことを僕は愛してる」

私の目を見て歌ってくれて、まわりにいた子達もこちらを見てることに歓声を上げていて…
涼太くんが少し驚いたような顔をした後、微笑んで、移動した。

「Aセンセ、泣くほど嬉しかったですか？」

って、ユキちゃんに言われて気付いた。

私、泣いてたんだ。

『感動した〜』

って言いながら、タオルで涙をふく。

歌を聞いて泣くの初めて。

その後は色んな事を考える余裕もなくて、言葉に言い表すことのできない初めての感覚にドキドキして、気付いたらライヴが終わっていた。

ユキちゃんとライヴ終わりで混雑した電車に乗り込む。
もちろん座れる席なんてなくて、立ちっぱなしでライヴ観戦してた疲労はあるけど、テンション高く語ってるユキちゃんが可愛くて、話に夢中であっと言う間に最寄り駅。

明日の待ちあわせの確認をして、先に電車を降り、アパートヘ。

帰り着き、すぐにシャワー浴びながらも、まだドキドキが止まらない。

今日、寝れないかも…。

(もう少ししたら家に着くんだけど、電話してもいい？)

って、涼太くんからラインが届いた。

もう家に帰り着いてるからいつでも大丈夫だと伝えると、数分後にかかってきた。

『お疲れさまです』

「もう、前もって言ってくれたら良かったのに〜。最終日って言ってたやん」

と、電話の向こうでクスクス笑ってる。

『サプライズ、成功ですね』

と笑うと、マジでびっくりした〜とため息。

「で、どうだった？」

なんだか、全部心を読んでいそうな涼太くんの問いに、言葉が詰まってしまう。

「楽しんでくれた？…」

不安そうに響く声に、胸が苦しくなる。

『楽しかったですよ。カッコよかったです』

『あの……けど…なんて言ったら…』

涼太くんは優しく相槌を打ちながら、静かに聞いてくれる。
先を急かしたりもしないし、無理に聞き出そうとしない。