SHINE (ページ13)

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自分の気持ちをうまく言葉にできず、小さく頷くと、涼太くんは安心したように笑ってくれた。

「そういえばさぁ、あそこの本屋、よく行くん？
Aちゃん家の駅の近くに本屋なかったっけ？」

『そうそう!私の職場の幼稚園、ここからすぐなんです。家の近くの本屋さんより大きいし、並びがいいから』

「幼稚園って、えっ？あの、公園の裏の？」

『そうです、そうです!!』

涼太くんのマンションから、職場が近くて驚いたんだった…その後の展開にドキドキして、すっかり忘れてた。

「あの公園とか、ランニングとか散歩でよく通るよ。なんか、近くにおったんやなぁ～って思うとおもろいなぁ」
「ん？って事は、こんな時間まで仕事やったん？」

ってびっくりされたけど、今日は後輩とごはん食べてたからって説明して…ライヴ参戦用の買い物の話は内緒にして、コーヒーのお礼をして帰ろうとするけど…

『大丈夫です!!』

って何度言っても

「送って行く!!」

ってきかない涼太くん。
まだそんなに遅くないし、何なら行事前で忙しい時なんてこのくらいの時間に帰ることもあるって言っても、

「１人で帰すとか無理！」

って。
私だって早く涼太くんに休んで欲しいから、これは譲りたくない。

「じゃあ、タクシー呼ぶから…タクシーで帰って。もったいないとかなし!!お願い!!」

そんなに言われたら納得するしかなくて、涼太くんが呼んでくれたタクシーで帰ることに。

タクシー代を出すってうるさかったけど、そこは聞こえないフリをして逃げた。
その上、マンションのエントランスまで降りてこようとしてたけど、どこでどんな風に見られるかわからないからと丁寧にお断りした。

タクシーが着いたと言われ、涼太くんが玄関まで送ってくれた。

さっき話をつけたばかりなのに、まだエントランスまで送ろうとする涼太くんに苦笑いで手を振り、ドアに手をかけると、後ろからふわりと抱きしめられた。

「ちょっと充電…」

数秒…だと思うけど、すごく長く感じた。

「ごめんね、何もしないって言ったのに」

って、ちょっと寂しそうに笑いながら離れて、また連絡するねって手を振る。

おそらく真っ赤になってしまった顔をあまり見られたくなくて、俯いたまま

『おやすみなさい』

と小さな声で言い、部屋を後にした。