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外からは見えないその場所で涼太くんが待ってくれていて、エレベーターの開くボタンを押して２人で乗り込んだ。
『ここって…』
「うん、俺んち！」
『えっ？いや、はっ？』
「出たよ〜、Aちゃんのえっ!!」
ケラケラ笑う涼太に促されてエレベーターを降り、どうぞ〜って招き入れられる。
「緊張しすぎって!!何もしないよ？」
背が高いのに上目遣い…あざとい？いやいやいや…
ぷちパニック状態の私を見て笑いが止まらない涼太くん。笑い過ぎて目に涙を浮かべてる…。
『笑い過ぎです……』
ちょっとムッとすると、ごめんって1ミリも悪いなんて思ってない謝罪の言葉が返ってきた。
相変わらず笑いながら、コーヒーを入れて持ってきてくれて、ソファーに並んで座る。
座った途端に大きなため息をついた涼太くんを見ると、今度は苦笑いしなから私を見た。
「そんな顔しないでよ」
そんな顔って…私、どんな顔してる…？
「ん〜、そんなため息つくなら、誘わないで？みたいな。それか、疲れてるならゆっくりすればいいのに…とか？」
『えっ？』
「ふふっ。全部顔に書いてる」
苦笑いからの微笑み……
「疲れてるから誘った。側にいて欲しいから…。
ため息は、隣にいてくれて安心するから…ホッとして出た。
って感じ。分かった？」
「ちなみに、誰でも家に入れるわけじゃありません。Aちゃんだからです。
それにさ、Aちゃんが男の人の家にホイホイ着いて行くとも思ってません」
俺の言いたいことわかる？とでも言いたい顔で私をのぞき込んで、見つめる。
『私の考えてること、全部言われました…』
「ふふっ。エスパーみたい？」
『けど、そんな風に言われたら、女の子は普通、期待しちゃいますよ。』
「期待してほしくて言ったって言ったら？」
真剣な顔で見つめられて、息もうまくできない。
『からかってますよね？』
なんとか声にしたけれど、涼太くんはちょっと残念そうに笑って
「そう言われると思ったんだよなぁ〜」
って、ソファーにもたれた。
そんな事言われても…。
芸能人の涼太くんにとったら、私みたいな一般人のどこが？って思ってしまう。
まわりキレイな人もたくさんいるだろうし。
「もちろんからかってなんかないし、もて遊ぼうとか思ってもないけど、そう思われても仕方ないかなぁとも思うから…。ちょっとずつでいいから、考えてくれへん？俺の事」
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作者名：ひな | 作成日時：2022年1月5日 18時
