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引いてみて4日目 ページ6

かなり酷い雷だった。


リビングには、メグちゃんとコクリコちゃんがいたはず。

怖がって泣いているかもしれないと思うと、居ても立っても居られなくなった。



停電で電気はつかない。


自分の手すら見えない視界の中、壁に手を当てながらリビングを目指した。



「コクリコちゃん、メグちゃん……」


夜中ではないが、一応寝る時間なためあまり大きな声は出せない。




視界が慣れてきた時、やっとの事で着いたリビングにはメグちゃんとコクリコちゃんがいた。



コクリコちゃんは静かに泣いていて、いくつか年上のメグちゃんは涙目になりながらコクリコちゃんを慰めている。


「2人とも、大丈夫だよ……私が来たからね…」

「うっ……ふぇ……Aお姉ちゃん…?」
「っ…わぁあぁん…!ハビー……っ!!」



同時に2人が抱き着いてきて、こんな状況なのに可愛いと思ってしまう。


「大丈夫…大丈夫だよ……私がここにずっといるから、安心して寝ていいよ」
「ほ、ほんと……?」



2人に向かって微笑むと、安心したのか眠ってしまった。


背中を摩っていた時、鼓膜が破れるかぐらいの大きな音が響く。



今度は自分が雷に怯える番だった。

不思議なことに2人は起きない。




「…この歳で雷なんかに怯えてたまるかっての……っいいっ!?」


雷雲は、30分以上経っても過ぎ去らなかった。





ふと、肩に手を置かれる感覚があった。


ゆっくりと振り向くと、薄暗くてよく見えないが、四角い髪飾りが見えた。



「全く……自分が怖い癖して子供を守りにくる奴があるか…」


この声って



「アダム……さ…ん……」

「仕方ないから俺が居てやる……ほら、早く寝ろ。不眠症になるぞ」


「ありが、とう……」



自分も安心したのか、すぐに睡魔が襲ってきた。







「変わったな……A」



そっと呟かれたアダムさんの声は、聞こえなかった。

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ゆっさん(プロフ) - いやマジで面白すぎて一気読みしちゃったわ……続きが気になるし楽しみです!無理をしないで更新頑張ってください!だいすk(((( (2021年1月14日 1時) (レス) id: f59719401a (このIDを非表示/違反報告)
樹雨(プロフ) - AXiSさん» 今作者が多忙で大変申し訳ないです……更新しないつもりはないので、どうか気長にお待ちいただけると幸いです! (2019年4月4日 20時) (レス) id: 80e4f91f72 (このIDを非表示/違反報告)
AXiS(プロフ) - あぁっっいいところで終わってる…続きめちゃくちゃ楽しみにしてます!!!!!こういう物語自分のなかでくっそ好みなので読んでて楽しいです! (2019年4月4日 13時) (レス) id: aaaf318001 (このIDを非表示/違反報告)
マフラー - 好きです!いつも私に萌えをありがとうございます! (2018年8月8日 17時) (レス) id: 5e4f423a18 (このIDを非表示/違反報告)
樹雨(プロフ) - 夕霧あいなさん» そこまで喜んで頂けるとは……恐縮ですw更新頑張りますー! (2018年7月31日 21時) (レス) id: 80e4f91f72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:樹雨 | 作成日時:2018年7月4日 19時

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