【#コンパス】家に住み着いた元天使【13 †サーティーン†】

7.手当と電話 ページ8

「いだいいだいいいだいいいい！！」
「っるせ。すぐ終わるんだから我慢しろ…」
「手助けが遅れたさっちんのせいなのに……」
「まーそれは謝るがな？」


赤く腫れ上がった足首は恐らく捻挫で、折れてないだけましだった。

確かに包帯を巻く手は優しいけど、逃げないようにと固定されるもう片方の手が優しくない。痛い。


「ねええええもういいでしょ！！？」
「よくない。まだちゃんと包帯止まってねーし」
「鬼畜……」

その時、自分の携帯からバイブ音が鳴る。


画面には"マルコス"との表示。
ぎりぎり手の届かない所に置いてあった。

「さっちん携帯とって」
「ああ？……おい誰だこの男」

「はっ！？切ったの！？」
「当ったり前だろー」
「ううえー……大事なことだったかもしれないのに…」



「ほい。終わったぜ。1ヶ月はまともに歩けねーだろうなぁ」
「学校どうしよ…」
「休めばいいんじゃね？別にいいだろ？俺も退屈しないでに済むし」
「んー……まいっか……」


溜息をついてマルコスに折り返し電話をしようとした時、ひょいっと携帯を取り上げられる。

「え」
「かけ直さなくてもいいだろぉ？どうせ大したことじゃねえって」
「かっ返して！！ほんとに困ってるかもしれな…」


そこまで言いかけた時、またマルコスからの着信がきた。

力尽くで携帯を取り返し、応答を押す。
するとスピーカーになっていて。


「あ！もーAちゃんなかなか出ないから心配したよー…」
「ご、ごめんマr」

「おうおうおうお前がマルコスかぁ？わりーけどさ、俺とAちゃん、今楽しいコトしてんの。また今度にしろよなー」


また取り上げられ、更には口元を手で塞がれる。

「っ……ぐ…」

「あえ！？ね、ねえ待ってまず君誰さ！？Aちゃんは！？」
「さあなぁ。ま、健全な男性、とでも思っておけばいいよ。じゃなー」
「まっ！！？」


マルコスの声は途中で途切れ、無機質な電子音が部屋に響く。

必死に足掻くとやっと手を口元から離してくれた。


「ったく…邪魔虫もいいところだな……」
「…こっちの台詞だし……」

「あ？俺が邪魔虫だって？犯すぞこの未経験」
「なんてこと言うの……」

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