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47.チョーカー ページ48

「Aちゃーん!おはよ!」
「マルコス!おはよー!」


軽快な足音を立てて走ってくるマルコスは、もう恋人の顔をしていなかった。

やっぱりこの距離が1番だと思う。


「てか……Aちゃんいつもそのピン付けてるよね…誰かから貰ったの?」

「ううん。いつ手元にあったのか分からないけど……なんか手放しちゃいけない気がして…」
「なーにそれwらしくないねぇ」


その時、再び後ろから軽快な足音が聞こえてきた。



「マルコス!お前今日俺と当番だろ?早くしねーと遅れるぜ!!」
「うっわそうだった…!Aちゃん、また学校でね!」
「ふふwはいはい!」


アタリと一緒に走って行くマルコスを見届けて再び学校へ向かおうとすると、目の前に人影が見えた。



「よっ!久し振りだなぁ?」
「…?」


その人物の怪しげな格好と態度に、無視をして通ろうとする。

「ちょちょちょ待てって!俺のこと覚えてないか?A」
「なんで私の名前……」

「やっぱ忘れちまったか……それ(・・)はちゃんとつけてくれてんのに…」
「これは……私もなんでつけてるのか分からない…」

「…じゃ、これ見て思い出さねーか?」
「……」


その人は自分の首元に手をやり、つけていたチョーカーを外して見せた。



…見覚えがある気がする。





酷く頭痛がした。





「お、おい大丈夫か?無理して思い出さなくたって…」
「さっ……」

「…お」


「さっ…ちん……?」

「A…お前……」





なんで、こんな大事なことを忘れていたんだろう。


このピンも、さっちんがくれた大切なものじゃないか。



「さっちん……さっちんだ…!!ごめんなさい……私なんでこんな大事なこと…」

「いーや、強制的に忘れさせられるんだから仕方ねーよ。それより…思い出してくれてほんと良かった……」



聞けば、同僚に強制送還されたらしい。


また同じ日常に戻れると思うと、泣きそうになってきた。

48.再び→←46.常識



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梓 桜 。(プロフ) - 同僚強制送還ありがとう…(?)思い出した場面で涙出ました…13推しなので素敵な作品に出会えてよかったですありがとうございます( ; ; ) (2020年2月16日 3時) (レス) id: f31cec74f3 (このIDを非表示/違反報告)
j - 最高かよ。今までの長編でぶっちゃけ一番のお気に入りですわw (2019年3月26日 15時) (レス) id: dca4a7bbac (このIDを非表示/違反報告)
樹雨(プロフ) - アレスさん» 実は長編を書くのは得意ではなくて、短編集がよく続けやすいんです…この小説を一作品で終わらせてしまった分、新作頑張ります! (2018年6月23日 0時) (レス) id: 80e4f91f72 (このIDを非表示/違反報告)
樹雨(プロフ) - Xシェンさん» 不定期更新で何日も空いてしまう時もありましたが、飽きずに読んで頂いて嬉しいですー!新作はもっと頑張りますよ! (2018年6月23日 0時) (レス) id: 80e4f91f72 (このIDを非表示/違反報告)
アレス - 読んでいてとても楽しかったです!お疲れ様でした。さっちんとアダムの短編集、楽しみにしてますね!(≧▽≦) (2018年6月22日 20時) (レス) id: 820c60ea51 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:樹雨 | 作成日時:2018年5月6日 13時

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