21.収まり ページ22
13 side
「死神さん!こっちこっち!!」
ぶんぶんと両手を振っているメグメグを見つけて駆け寄ると、そこにはアタリに一方的に殴られているマルコスがいた。
彼奴の性格上、自分よりも1回り程小柄なアタリを殴り返すことができないんだろう。
「メグメグが止めようとしても駄目で…!」
「よし、ちょっと下がってろ」
メグメグが不安そうな顔で一歩下がったのを確認して、アタリの止めに入る。
「っ何すんだよ!!離せっ……てば!!」
「お前ちょっと落ち着けって。目の前見てみろ。マルコスはこんなに傷ができてもお前に1度も殴り返さなかったんだぜ?」
マルコスを見ると、しゃがみ込んで息を乱している。
頭を守ろうとした腕には、青くなりかけている痣がいくつもできていた。
「あ………マルコス……?」
ようやく少し落ち着いたようで、地面に膝をつけて頭を下げる。
「俺は……何やって……っマルコス、すまねえ…!!」
「っいいよ………大したことないし…。でも、ここまでアタりんが取り乱した理由、知りたいな」
「そうだよな……えっと…俺は、今日の朝…」
「待って、こんな玄関先じゃあれだしさ。3人とも中入って」
「マルマル…大丈夫?」
「平気だよ。止めに入ろうとしてくれてありがと。死神さんも、本当にありがとう……助かったよ」
「ま、気にすんな。じゃー俺ちゃんは帰っ」
「待ってくれ!サーティーン、だっけ。できたらA連れてきて一緒に話聞いてくれねえか?」
寝てるの起こすのは気が引けるが……どうやらアタリが取り乱した理由はAも関係しているっぽい。
「わーったよ。ちょっと待ってな」
「…何から何まで、すまねえ」
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梓 桜 。(プロフ) - 同僚強制送還ありがとう…(?)思い出した場面で涙出ました…13推しなので素敵な作品に出会えてよかったですありがとうございます( ; ; ) (2020年2月16日 3時) (レス) id: f31cec74f3 (このIDを非表示/違反報告)
j - 最高かよ。今までの長編でぶっちゃけ一番のお気に入りですわw (2019年3月26日 15時) (レス) id: dca4a7bbac (このIDを非表示/違反報告)
樹雨(プロフ) - アレスさん» 実は長編を書くのは得意ではなくて、短編集がよく続けやすいんです…この小説を一作品で終わらせてしまった分、新作頑張ります! (2018年6月23日 0時) (レス) id: 80e4f91f72 (このIDを非表示/違反報告)
樹雨(プロフ) - Xシェンさん» 不定期更新で何日も空いてしまう時もありましたが、飽きずに読んで頂いて嬉しいですー!新作はもっと頑張りますよ! (2018年6月23日 0時) (レス) id: 80e4f91f72 (このIDを非表示/違反報告)
アレス - 読んでいてとても楽しかったです!お疲れ様でした。さっちんとアダムの短編集、楽しみにしてますね!(≧▽≦) (2018年6月22日 20時) (レス) id: 820c60ea51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:樹雨 | 作成日時:2018年5月6日 13時