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第三十九話 ページ40

伊「まあ、こんな感じですかね」

風「鬼とは架空の者だと思っていた。だが、本当にいたんだな。しかも、想像以上に残酷な者が」

伊「そうですね。しかも鬼って鬼になるときの急な体の変化で体力を消費して重度の飢餓状態になるんです。だからほとんどの鬼は家族とか、大事な人を食べてるんですよ。だから鬼は哀しい生き物だと言ってた人もいたみたいです。俺は……そう思えませんけど」

風「!そうなのか。それで、伊黒の祖先はどうして鬼殺隊に?」

伊「胸糞悪いですけど本当に聞きます?」

風「ああ。可能な範囲のことでいいから教えてくれ」

伊「…分かりました………俺の曽祖母の生家は鬼に自身の赤子を生贄として捧げ、その代わりに鬼の奪った金品をもらうことで生活していました。そんな家の方針に嫌気が刺し、生贄であった弟と一緒に家を潰しました。その後、その時の縁で出会った炎柱に弟を預け1年間修行し、最終選別を経て鬼殺隊に入隊したそうです。半年後には甲だったとも書かれていました。まあ、うちは鬼殺隊でもだいぶ特殊な入隊理由だったみたいで、大体は鬼に親しい人を殺された憎しみから入る人が大半だったみたいです」

風「そうか。お前の家は大変だったんだな」

伊「今でもその名残はありますよ。先ほど家を潰したと言ったと思いますがそれは結果論です。正確には弟と脱出しようとして鬼から逃げたことで鬼が家の人間に怒り狂い最終的に50人が死んで家が潰れました。その時死んだ女達の怨霊を伊黒家は背負って生きて行くんです。それと、今まで生贄として献上されていた子達への罪滅ぼしとして自分の命を無くしてでも人を助ける。これが、伊黒家の使命です。だから俺はボーダーに入った」

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作者名:くさったたまご | 作成日時:2022年9月5日 6時

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