十. ページ10
「..........で、いつまでこのままでいればいいの?」
「あと少しだけ、
「さっきからそういって私かなりの時間あなたの腕の中にいるんだけど、?」
「嗚呼。」
まだ離してくれそうにない杏寿郎。
諦めたAは彼の腕の中で問い掛ける。
「何がやだったの?」
「.....。」
「おーい、杏寿郎ー。」
「れーんごくさーん。」
「杏寿郎さーん。」
何度呼んでも返事はない。
スゥゥゥゥゥ
「煉獄杏寿郎!!!!答えろ!!!」
夜も更けてきた頃、と先ほど杏寿郎が店を出る頃に言ったことも忘れ声を張り上げるA。
杏寿郎は驚いたのかビクッと体を震わせた。
「答えて。」
「.........君が。」
「うん?」
「......っし、不死川に良くしていたから、だ。」
鈍感で有名な(少なくとも音柱はそう言っていた)、鳴柱もこうもはっきりと嫉妬を口にされれば流石にこの男は自分を好いていることに気づく。
まるで林檎のように紅くなっていく顔。
どうにも恥ずかしく、黙ってしまうA。
「よ、よもや。す、すまなかった。恋仲でもないのにこんなことを口にする男はあまりよろしくないよな!」
パッとAから手を離す杏寿郎。だが、心のどこかで自分は彼女に拒絶されない、嫌、寧ろ彼女も自分を...と思っていた。
ギュッ。
「き、杏寿郎になら、いい。」
そして、彼の見解は見事的中する。
Aは自分から彼の体を抱き締めた。
彼女もまた、自分が過ごしていて心地のよい男性、杏寿郎に惹かれていたのだ。
「そ、それはそういう風に捉えても構わないか?」
期待していたことを悟られないように言う杏寿郎。
「ッ、言わせない!そーいうとこ!杏寿郎!ほら、もう行こ!」
照れ隠しでわざと雑な口調になるA。
普段の彼女からは誰も想像出きないであろう、彼女のかわいらしい照れた表情は、自分にしか見られないのだという優越感に浸る杏寿郎は、
「嗚呼。行こうか。」
そう言って微笑みながら彼女の手を強く握りしめるのであった。
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朔夜@朔義(プロフ) - あの〜しのぶさんの苗字は蝴蝶ではなく胡蝶だと思います〜 (2020年7月28日 13時) (レス) id: a1901964d7 (このIDを非表示/違反報告)
Sunny(プロフ) - かのんさん» 作品を読んで頂き、ありがとうございます。今確認して間違っているところを分かる限り、直しました。変換の段階でミスしてしまっていたようです。ごめんなさい。ご指摘ありがとうございました。 (2020年4月29日 15時) (レス) id: d269d8a8e1 (このIDを非表示/違反報告)
かのん - 蜜璃ちゃんは密ではなく蜜だと思います (2020年4月29日 13時) (レス) id: 828a7545ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひよこ | 作成日時:2020年4月5日 22時