十九. ページ23
この時代はまだ婚約した上での恋仲が一般的だった(推測)為、杏寿郎の発言はあながち間違ってはいなかった。寧ろ当たり前のことを言った。
しかし、Aは自分たちが結婚するなどとは考えてもいなかった。彼女の中には自分は剣士である、いつ死んでもおかしくない。というのが大前提としてあったからである。その為、杏寿郎の発言に耳を疑った。
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「....よもや、何を驚くことがある!」
「、、、けっ、結婚はまだ考えられないっ!」
「むっ!?」
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自身の器に残った少しの米を一気に口に掻き込み、Aは
「ご馳走さまでした!!千寿郎!お皿洗いにいこう!!」
と、食器をもって立ち上がり、とっくに食べ終わっていた千寿郎の手を引きながら走って部屋を出て、台所へ向かった。
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ポロッ
、
ポロッ
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「あ、姉上、、、?」
「っわ"、わたしね?分がってるの。ヒックッ恋仲になるっていうのは結婚するのが、前提だっで。杏寿郎と結婚しだいとも思っでる。でもね?.....わっ、わだしは剣士だがら!人をすぐう為にいぎなぎゃいけないから!」
はい。はい。と優しく相づちをうつ千寿郎に号泣しながら思いを打ち明けるA。
「そうですよね。ですが、姉上。その思いを伝えなければならないの僕ではなく、兄上なのではないでしょうか?」
「へ、?」
「兄上ならきっとわかってくれます。姉上、いえAさんのことを出会ってからずっと慕っているんですから。」
ドタドタ.....
「A!!!!!!!!」
ギュッッ
「千寿郎、悪いが
「はい。僕は大丈夫ですから。」
千寿郎はAの食器も持ってスタスタと歩いていった。
「ちょっと座ろう!」
「..........う"ん。」
縁側に腰を下ろす。
「無理に理由は聞かないが、君の素敵な瞳が涙で濡れてしまうのは見たくない。」
「そんな台詞、らしくないよ、ハハッ」
「笑ったな!よし!」
そう言いながら杏寿郎はAの目尻にあった涙を親指で優しく拭き取った。
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しばらく黙っていたAが口を開いた。
「...ごめんなさい。折角素敵な夕餉の時間だったのに、台無しにしちゃたよね。」
杏寿郎は自身よりも小さな彼女の体を引き寄せ
「そんなことは良いんだ。」
と優しく言う。
そんな彼の声に安心したAはポツリポツリと自身の思いを話し始めた。
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朔夜@朔義(プロフ) - あの〜しのぶさんの苗字は蝴蝶ではなく胡蝶だと思います〜 (2020年7月28日 13時) (レス) id: a1901964d7 (このIDを非表示/違反報告)
Sunny(プロフ) - かのんさん» 作品を読んで頂き、ありがとうございます。今確認して間違っているところを分かる限り、直しました。変換の段階でミスしてしまっていたようです。ごめんなさい。ご指摘ありがとうございました。 (2020年4月29日 15時) (レス) id: d269d8a8e1 (このIDを非表示/違反報告)
かのん - 蜜璃ちゃんは密ではなく蜜だと思います (2020年4月29日 13時) (レス) id: 828a7545ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひよこ | 作成日時:2020年4月5日 22時