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先生 「よし!じゃあこの問題解いたら終わりにしよっか」









私は試験へのラストスパートのため個別指導の塾に通うようになった。

先生は早稲田大学に通う女子大生で友達のように接してくれるいい人。








“ヴーヴーヴーヴー”









と携帯のバイブ音が鳴った。









先生 「あら、出たら?お母さんじゃない?」

「すいません」









液晶画面を見ると“慧”という文字が映っていた。









先生 「なになにー?彼氏ー?笑」

「まぁ笑」

先生 「出てもいいよー?笑」

「いやいや、大丈夫です笑」

先生 「えー、可哀想じゃん!」









まだ授業中なので笑、と否定しているあいだに電話は切れた。









先生 「でもAちゃん、めっちゃ授業入ってるけど彼との時間とかあるの?」

「んー、なかなか無いですね笑。」

先生 「だよねぇ、寂しいでしょ??」









寂しくない。

といえば嘘になるだろう。





声だって聞きたいし力いっぱい抱きしめたいし甘えたい時だってある。

でも今の私じゃ、なかなか伸びない成績へのイライラやいっぱいいっぱいの毎日の不満をぶつけてしまいそうだった。







そんな私と一緒にいて、慧は私のことをどう思うだろう。









会いたくても会えない日々が続いていた。









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作者名:向葵 | 作成日時:2018年1月7日 22時

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