コンビ結成秘話 ページ2
私達は、保育園も小学校も中学校も同じだった
だから、私は、
どうせこのまま高校も同じなんだろうと思っていた。
そんな中学3年生の秋、あいつに呼び出された。
あいつは、緊張した時、手を後ろに組んで
緊張をほぐそうとする癖があるから、
大事な話なのは直ぐに分かった。
｢どがんしたと？｣
轟｢えっと...あのさ、俺、夢が出来たんだ。｣
｢どんな夢？｣
轟｢芸人になって、人を笑わせる夢。｣
｢何でそんな改まっとっと？｣
轟｢ひなたと、一緒にその夢叶えたい｣
｢...え？それは...私とコンビを組むって事？｣
轟｢うん｣
｢...もしも、私が断ったらどうすっと？｣
轟｢諦める｣
｢それは、芸人になる夢をってこと？｣
轟｢うん｣
｢...ごめん、今すぐには答え出せん。｣
轟｢...俺はお前とコンビを組んで
人を笑わせたい。そして、てっぺん取りたい。｣
｢そっか...｣
キーンコーンカーンコーン
｢授業、始まるよ？｣
轟｢うん｣
そこから、受験勉強が本格化していったけど、
ずっと頭からその事が離れなかった。
だって、あいつのあんな真剣な目を
これまで14、5年一緒にいて、
1度も見た事が無かったから。
結局、2人とも県内の公立高校である
済々黌高校に受かった。
それが分かったのは、3月13日だった。
次の日、卒業式後
私はあいつを呼び出した
轟｢良かったな！受かって！｣
｢うん...
あのさ私、芸人になるのは正直怖いし嫌だ。｣
轟｢そっか...じゃあ、｣
｢でもね、あんたの夢が無くなるのは
もっともっと嫌だ！｣
轟｢...え？それは...｣
｢(*^^*)しょうがないから、
あんたの夢、私が叶えてあげる！｣
轟｢...ホントに?!｣
｢私が嘘つくと思ってんの？｣
轟｢ううん(＞︿＜｡)ただ、嬉しくって...
信じられないって言うか...(T^T)...やべぇー
受験に受かった事より嬉しいかもしれん｣
｢ほら、あんたのファンの子達が
ボタン欲しがってるから、行ってきな！｣
轟｢うん！｣
その頃の私には、この選択が正しいのか否か
分からなかったし、考えもしなかった。
10年後、信じられない未来が待っているとも知らずに...
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作者名：ピニョン | 作成日時：2020年4月1日 0時
