守られることになりました。【な組】

【第23話】 ページ26

お父さんは、マフィアの総長をやっていて私に中々会えない中でも確かに私を愛してくれてたんだな。

そう再確認し、私は込み上げてきた涙を必死で堪えた。

……けれど、同時に恐怖も感じた。

お父さんが死んだ事によって、私の命が狙われている。

そして今回、六人が私の学校に来てまで私を守ってくれたという事は、それくらい、そのキャッツアイというマフィアが私に近づいてきているという事だ。

な「……こんな話聞かされて、怖いよね。」

私の様子を見兼ねたのか、ななもり君が口を開いた。

な「ごめんね。でも、絶対俺達がAちゃんを守るから。」

そう言うと、ななもり君は立ち上がって、私の前へ来る。

そして私の前に跪いたと思うと、私の両手を優しく両手で包み込んで、私と視線を合わせる。

な「何があっても守り抜くよ。だから安心して？」

そう言って笑う姿に、思わず胸が高鳴った気がした。

こんな整った顔で、そんなセリフを言われて優しく微笑まれたんだからときめくのも仕方ない。

私はそう思い、ドキドキする心臓に静まれ静まれと願いながら、ななもり君に対してこくりと頷いてみせた。

正直不安な所はあった。

なんたってマフィアに狙われているんだ。

それも、自分の父を殺した奴らに。

もっと言えば、自分がいつ死んでもおかしくないという状況に置かれている訳だ。怖くない訳がなかった。

でも、この人達が守ってくれる。

包まれた手から、じんわりと温もりが伝ってくるのを感じた。

きっと今回みたいに、この人達が私をキャッツアイから守ってくれる。

私はそう強く思い、この人達……な組の人達を信じようと思った。

……そうでもしなければ、怖さで崩れ落ちてしまいそうだった。

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