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【第31話】 ページ34

な「……ごめん。」

「…え?」

顔を上げると、皆、申し訳なさそうな表情をしていた。

なんで、そんな顔してほしくてこんな話したんじゃないよ。

そう言いたかったけど、私の勇気がないせいで、その言葉は沈黙にかき消されてしまう。

な「俺達の不注意のせいだね。」

さ「ごめん。」

その言葉に続いて、他の皆も次々とごめん、と私に言葉を投げかける。

「そ、そんな、謝らないでよ…」

る「……もっと他に、僕達が対策を取っていれば、退学になんてならなかったかもしれないのに…。」

こ「ほんと、ごめん!もっと上手くやってれば……」

皆は次々と後悔を告げていく。

リビングの空気が、どんどん重くなっていく。

みんなの表情が、どんどん暗くなっていく。

いつもそんな皆をまとめているななもり君ですら、後悔に飲み込まれてしまっている。

私が何か言わなきゃ。

私が、私が。

私は勇気を振り絞って、喉から声を絞り出した。

「あ、謝らないで…!」

頑張って少し大きめに出した私の声は、静かだったリビングにしっかりと響いていた。

「私は、キャッツアイの人達から、命を守ってくれただけでもすごく嬉しいし、というかありがたい、し……。」

私の言葉だけが、私の声だけがリビングに響いていて、その事を考えると少し緊張してしまうけど、私は気にしない振りをして言葉を紡いでいく。

「だから、皆には謝ってほしくないし、後悔もしてほしくなくて……それに、私が退学になった事も、皆何も悪くないから。」

もっと伝えたい事はあったけど、うまく言葉がまとめられない気がしたので、私はそこで口を閉じる。

伝わったかな、私が伝えたかった事。

こんな風に自分の意見を人にはっきりと伝えるのは割と初めての事で、すごく胸がドキドキしているのが自分で分かった。

しんと静まり返ったリビングに不安を覚え、ちらっと皆の表情を伺った。

すると、皆驚いたような、安心したような表情を浮かべていた。

な「……ありがとう。」

ななもり君は私にそう言って、優しく微笑んだ。

ジ「優しいなぁAちゃんは。」

さ「いやぁAちゃんが優しくてよかったわぁw」

その言葉につられ、皆もどんどん笑顔になっていき、表情も明るくなり、リビングの空気もあたたかいものに変わっていった。

よかった、伝わったんだ。

私はそう思い、心の底から安心した。

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くりボッチ - 続き気になるので頑張ってください!!無理しないでくださいねヽ(´ー` )ノ (2021年8月2日 19時) (レス) id: 7d59f0ef3f (このIDを非表示/違反報告)
赤猫君。(プロフ) - ひなさん» 続き気になる...更新楽しみにしてますよ!!!応援します! (2019年10月13日 22時) (レス) id: 8740c32d82 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - すごい面白いですね 次の更新も楽しみに待っています (2019年9月16日 21時) (レス) id: 8a1a177507 (このIDを非表示/違反報告)
運子 - 何でこんなに面白いんですか?え?何で?何でだよオ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙。。。スイマセン (2019年7月30日 0時) (レス) id: 794c83e2e4 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん丸 - え????おもろい( ゚д゚)更新がんばってくださぁぁぁぁぁぁぁぁぁい! (2019年7月26日 18時) (レス) id: bd2dd5a67e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひな | 作成日時:2019年4月22日 16時

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