【第26話】 ページ29
校「今回はどの生徒も重傷を負わなかったが、次は違うかもしれない。もしかしたら命を落とすかもしれない。そうなったら困るんだ。」
そう言われて、次に校長先生の口から放たれる言葉が、大体予想できた。
校「……Aさんにとってもつらい話だと思うが……うちの学校を、退学してくれないか。」
校長先生の声が、もはやただの音のように、淡々と私に降り掛かる。
色も情もない、ただの音。
校「…………Aさん?」
返事をしない私に、校長先生は聞いているのか、とでも言うように私の名前を呼んだ。
親「A?」
親戚のおばさんの出す音も、私に容赦なく降り掛かってくる。
優しさの欠けらも無いような、冷たい音だった。
「……わかり、ました。」
頭が真っ白で、何も考える事が出来ないまま、私はそんな言葉を喉から絞り出した。
私の言葉を聞いて、校長先生は、すまないな、なんて言って私の頭をポンポンと軽く撫でた。
それからの事は、よく覚えていなかった。
校長先生と親戚のおばさんが言葉を交わす淡々とした音。
紙が擦れるような音、ペンで何かを書くような音が、リビングに響いていた。
多分、退学の手続きの書類でも書いていたんだと思う。
私は俯いたまま、ただただその音を聞いていた。
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くりボッチ - 続き気になるので頑張ってください!!無理しないでくださいねヽ(´ー` )ノ (2021年8月2日 19時) (レス) id: 7d59f0ef3f (このIDを非表示/違反報告)
赤猫君。(プロフ) - ひなさん» 続き気になる...更新楽しみにしてますよ!!!応援します! (2019年10月13日 22時) (レス) id: 8740c32d82 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - すごい面白いですね 次の更新も楽しみに待っています (2019年9月16日 21時) (レス) id: 8a1a177507 (このIDを非表示/違反報告)
運子 - 何でこんなに面白いんですか?え?何で?何でだよオ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙。。。スイマセン (2019年7月30日 0時) (レス) id: 794c83e2e4 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん丸 - え????おもろい( ゚д゚)更新がんばってくださぁぁぁぁぁぁぁぁぁい! (2019年7月26日 18時) (レス) id: bd2dd5a67e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひな | 作成日時:2019年4月22日 16時