君を忘れるために【紫】3 (ページ5)

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答え合わせと気持ちの整理　紫side ページ5

「答え合わせ、させてもらってもいいですか」
と言う阿部ちゃんの言葉に、
俺と照も「お願いします」と被せるように続けた。

「深澤さんにはお伝えしてなくてごめんなさい。
　デビュー前に事務所の方からご連絡を頂いて、
　私が貴方の邪魔になると判断したので、
　身を引いて欲しいって言われたんです」
「まぁ、もうちょっと話は複雑だったけどね」
偉いさんが困った顔をして口を挟み、彼女も苦笑する。

「私が一般人で、
　これからのグループの力にはなれないなら
　力になれると世間から見られるようになったら、
　
　陰ながら見守ってもいいですか。
　
　力になれるなら、私も頑張っていいですか？

　って意地になっちゃった」

と、最後は少しふざけるように話してくれた彼女は、
多分見せない努力をたくさんしてくれたんだろうと思う。

「阿部さんから伺うまでもなく、
　気持ちを疑っては居なかったんですけど。

　でもやっぱり不安が残っていたのも事実だったので。

　事務所の方の言葉に乗っかる形で消えたんです。

　で、今回、やっと力になれそうだったので、
　出版社の方に頼みたいなーと思ってはいましたけど、
　まだ私はそこまで希望を伝えられるような作家じゃないので。
　
　半分以上は運です。

　だけど皆さんにはちゃんと大切に思う人と夢を壊さない範囲で
　幸せになって欲しい気持ちも嘘じゃなく持ち続けてたので。

　今回の週刊誌の話を利用させてもらって、
　事務所の方にお話ししたら最終試験がわりに本人たちも
　覚悟を決めるならってお話になりました」