君を忘れるために【紫】3 (ページ31)

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彼女を守るために　黒side ページ31

プロモーションの数が多すぎて、
捌ききれないこともあって
事務所に一度戻って、
メディアの対応をしていこうという話になり、
たまたま立ち寄ったらメンバーが居て。

「どういう……ことですか？」

阿部ちゃんと岩本くんが話している内容が漏れ聞こえてきて。
Aの身に何か起きたことが分かった。
しかもそれは俺たちのせいでもあって。

「知らずにいることは
　守ってもらうことではあるかもしれないけど、
　正直、つらいです」
「目黒……」
岩本くんが言葉を続けられずに、
気遣ってくれてるのは分かる雰囲気で、
言ってくれるけど。

「Aは無事なんですか」

「うん……ふっかが、連れて帰った。でも責めないであげて」

「あの2人だったら、
　仕方ない状況でしかそうならないと思うんで大丈夫です。

　だけど……俺が守りたかった」

「状況的に、それは無理だったんじゃない？」

阿部ちゃんが冷静に言うけれど。

「でも！俺は！！！」

「めめ、落ち着いて。焦る気持ちも分かるけど、
　何で彼女がそうしたか。
　ふっかがどんな気持ちで寄り添ってるのか。
　めめのこと、完全に無視したわけじゃないことだって
　分かってるでしょ」
「……はい」
「じゃあ、いまするべきことは何？」
「取材を……頑張って……終わったら彼女に会いに行きます」
「そうだね。でも心配な気持ちはあるだろうから……
　マネージャーさんに、
　先に休憩で2時間くらい時間を取れないか聞いてくるから。
　その間に照から事情を聞いといて」
そう言って、阿部ちゃんが席を立つ。

「………ありがとうございます」

「目黒……あっちで話そう？」
そう言って、少し場所を変えて事情を聞くと、
より心配になって。
それでもきっと隠されていることはあるんだろうけど……。
彼女のためにも、少しでも理解しておきたいから。
悔しい気持ちを抑えて、話を聞いた。