誰が相手でも遠慮はしないと決めた 黒side ページ38
「分かってます？俺は恋愛的な意味でAさんのこと、
好きだって言ってるってこと」
そう言ったのにあんまり意識されていないのか、
戸惑われることさえなくて。ちょっと悔しくなる。
「俺のこと、知ってもらう前に
他の人にとられたくないから。
予約してもいいですか？」
と言葉を重ねた。
どう言っても、言葉だけじゃ
彼女の心には入り込んでいけない気がして。
「俺が予約済ってどっかに書いておきたい」って伝えても、
抱きしめても、あんまり反応してくれない。
ちゃんと心の中に誰かが居るってことなのかな。
と思いながらも。
彼氏が居ても家に人を入れるようなことはなさそうだから、
そこについては自分の勘を信じるしかない。
「ちょっと前に会っただけなのに、
なんかこう想像してたのよりも……
(柔らかくて温かくて、触り心地もサイズ感もいい……)」
ずっと触って居たくて、他の誰にも渡したくなくて。
だけど俺のことをちゃんと見て欲しい気持ちもあって。
余裕がある彼女のこと、ちょっとズルいなって思った。
「なんか余裕……俺のことも意識してないから？」
「ちょっと……どきどきはした」
「ちょっとかー」
そう言うとスリッパを出している彼女を、
お姫様抱っこで持ち上げる。
「ご案内頂けますか？」
首筋に顔をうずめて、
やっと彼女の熱を感じられて。
俺のこと、ちゃんと意識してもらうためには
ここまで近づく必要があるんだなと確認した。
彼女の心にはいったいどんな人が住んでいるんだろう。
きっと俺には追い付けないくらい大人なのかもしれない。
それならそれで、違う土俵で頑張るしかない
と思って、持てる限りの気持ちを
ぶつけていくことにした。
詰められる距離と心の隙間→←本当はちょっとどころじゃなかった気持ちを揺らして
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 360人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひな(プロフ) - きらさん» きらさん、教えて下さりありがとうございます！スマホで更新した際に触れてしまったようです。解除しました！ (2023年2月3日 11時) (
レス) id: d3c82ded38 (このIDを非表示/違反報告)
きら(プロフ) - オリ.フラ立ってますよ！違反報告されてしまう前に解除お願いします (2023年2月3日 10時) (レス) id: 0df082814a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひな | 作成日時：2023年2月1日 17時
