君を忘れるために【紫】

誕生日に誘う理由を理解して欲しい ページ30

「どういうことです？」
「いや、なんか佐久間くんと
　良い感じなのかなーと思ってたから」
「ないです。さすがにそれはない！」
「そんな言いきります？」

「だって大ちゃんはアイドルだし、
　私とはお仕事をご一緒させてもらったっていうだけの
　知り合い……
　よりかは仲が良いといいなと思ってるので、
　個人的には友人って言わせてもらってますけど、
　知り合いがちょっとだけ運よく仲良くなったくらいの
　程度ですよ？」

「やたらとアイドルってこと、気にしますよね」

「まぁ、夢を与える職業なのに、
　邪魔したらそれは営業妨害になってしまうので」

「ふはっ……なんか面白いっすね。
　やっぱり…俺、Aさんのこと、
　ちょっと気になってるんですけど。
　それでも家行って大丈夫ですか」

「気にしてもらうほど面白いところがあるとは
　思えないですけど、
　お外よりかはご迷惑をおかけする可能性が低いと思うので」

「俺の家でもいいですよ」
「いやいやいやいや、さすがにそれは！」
「まぁ、今回はAさんのところにお邪魔させて頂きます。
　じゃあ細かい時間とかは、また」
そう言って、電話を切られる。
未だに私は自分の誕生日が彼の誕生日と
同じ日とは伝えられていなくて。
彼の誕生日が2月16日なことは知っている。

その日にうちでご飯……。
彼女とか今は居ないのかな。大丈夫かな。と
心配はしつつも、
推しとご飯が出来るなんて嬉しいなと単純に考えることにして。
当日までの準備を色々と考えることにした。

彼女を誰にも渡したくなくなってしまった→←真っ直ぐなアプローチも視界に入っていないと意味がない

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