血濡れぬ花 (ページ6)

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不気味と山と煙々羅とページ6

「ここが、“XXXX年、とある山”？」
無事、指定された年に着いた一行は辺りを見渡す。

「ぶ、不気味…です……」
「うー、何か出そう……」
五虎退は不安そうに、包丁は両手を擦りながら辺りをキョロキョロと見渡す。

「日向さん、これからどうします？」
「……まずは、例の監査官と合流するのが先だろうね」
堀川と日向はこれからのことを話し合いをする。だが、その輪に入らず、1人一点に意識を向けている刀がいた。

「……どうかした？骨喰」
骨喰の様子に気が付いた日向が声を掛けると、骨喰はゆっくりと口を開いた。

「……気配を感じる」
その一言に日向達は手を柄にかけた。

「どこだ……？」
「分からない……だが、この気配は……」
骨喰が言葉を紡ごうとした時だった。強い風が吹いたと思うと目の前に女が現れていた。

(！？気配は無かったはず……！！)
日向は警戒を強めながら鞘から刀身を僅かに光らせた。

『……殺気を閉まって。貴方達の言う監査官だから』
女はそう言うと口元に人差し指を立てた。日向達はその様子を見て鞘から手を離した。

『改めまして、煙に巻かれにようこそ。私の事は……ん〜そうだなぁ……まあ、“煙々羅”って呼んで。本当の名前は忘れちゃったから』
そう言ってケラケラと笑う女を日向はじっと見つめた。

(やっぱり、僕はどこかで君と……)