血濡れぬ花 (ページ3)

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五里霧中ページ3

と、先ほど政府より届いた知らせに審神者は頭を悩ます。
それはこの特命調査に参加するか否かでは無く“部隊編成”の問題だった。

「XXXX年、とある山に縁のある刀……な〜んているわけねぇよなぁ……」
そう、特命調査の部隊に誰を入たものか、頭を悩ませていたのだ。

「山の名前すら言わねぇーなんて政府もなーに考えてんだか……」
書類をパラパラ捲りながら考えるも、“XXXX年、とある山”に関する情報なんて何も無い。現代人の味方、スマホに投与された先生と慕われるインターネットにも見放される始末だ。

「主、失礼するよ。……おや、随分とお悩みの様だね。例の特命調査のことかい？」
盆に茶と茶請けを持参して歌仙が審神者の部屋に訪れた。

「ん、まぁな」
審神者は適当に返事をし、悩みの種の書類を歌仙に渡す。

「ふむ……なるほど」
パラパラと捲りながら歌仙は納得の行く解答を見つけ出した様で、数秒考え込んだがどうやら見つからなそうだ。

「“XXXX年、とある山”……すまない。僕も全く検討がつかない……」
「だよなぁ〜……。ま、今回の調査はいつもより長めだしな、もう少し考えるか」
審神者はため息をつくと、手元に置かれたお茶に手を伸ばす。

「あちっ！」
驚いた拍子に湯呑みを落としてしまうも、湯呑みは歌仙にキャッチされ事なきを得た。

「……主……気をつけなさいといつも言ってるだろう？全く雅じゃない」
呆れ気味に言う歌仙を他所に、審神者は苦笑いを浮かべることしか出来なかった。

「へいへい、気をつけますよ」
「返事は1度だよ」

そうこうしているうちに昼餉の時間は近づき、厨当番の前田と燭台切が部屋に現れていた。

「主君、昼餉の時間です」
「今日は日向君特製の梅を使った混ぜご飯を作ってみたよ」
審神者はググッと伸びをすると歌仙に顔を向ける。

「腹減ったし……とりあえず飯にすっか……」
そう言うと審神者は立ち上がり部屋を歌仙達と共にあとにした。