前作に基づいた京綾 ページ9
前の綾村で、もし辻村ちゃんが気を利かせて、その場を離れたらという設定。
絶対無いだろうけど…そのあたりは菩薩になったつもりでお願いします←
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「…せっかくだし、寝かせてあげよう。」
辻村は目の前の人形に触れず、その場を去った。
軈て、足音が遠くなったとき、綾辻は目を閉じたまま、声を発した。
「何のようだ。京極。」
ボシュッと音をたて、現れたのは足が透けている老人。一言で言うと、“亡霊”である。
「いやぁ。儂と二人っきりになる為に、わざわざ寝たフリまでしてくれたのかと思ってのう。」
「何が悪い。」
「珍しく素直。可愛いのう。」
「黙れ。〇ね。」
「とっくに〇んどるよ。」
いとおしげに此方を見つめる亡霊はふよふよと綾辻の眼前を漂う。
「で、二人になったが、何するのじゃ?」
「知らん。」
「知らんは困るのう。二人っきりにしたのはそっちだろうに。」
「…はぁ。なりたくなっただけだ。悪いか。」
京極は呆気に取られたような表情をしたあと、口元に笑みを浮かべた。
「…阿々。矢張り綾辻君は可愛いのう。」
「失せろ。」
「とっくにそうなっとるわい。」
二人だけの空間は、あまりにも不思議だった。
鬼白。→←綾村2。何処かで綾村日記というものをちょくちょくあげてるのでよければ。
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作者名:赤珠(元 チョコうさ。) | 作者ホームページ:http://flower1218
作成日時:2018年3月20日 18時