続き。 ページ11
よくみると、鬼の中では珍しい、ストレートのさらさらとした髪が所々四方八方に跳ねている。
角が刺さらないよう、横になって寝ているのだろうか。うつぶせになることが絶対に無い様子だ。
そして、紅い目尻の下には酷い隈。
…………。
こんなになるまで溜め込んでいたのか。
僕が頼まれていた薬は、謂わば風邪薬だ。
風邪を引いていたというのに徹夜か。
それじゃあ治るものも治らないではないか。
「…とりあえず薬だけ置こう。」
後は起きるまで待っとこうか。
そう思って体制を整えようとしたとき、
「ふぇ！？」
何かが僕の腕を掴んだ。
強く引っ張られていたので抗う事も出来ず、そのままベッドイン。
「何…、！？」
そしたらそのまま抱きつかれた。
「え、ちょ、離して？」
「はなしたらにげるでしょう。」
依頼主は若干起きた直後の様な声で言った。
少しだるそうで可愛い。
いや、勿論、実際だるいのはわかってるよ。うん。
「僕に風邪移っちゃったらどうすんのさ。」
「そのときはそのときです。いまはここにいてください。」
恋人は、少しきつくなった腕の中で、もぞもぞとして言った。
「やけに甘えるな今日。」
僕が言うと、
「さみしかったんですよ。あなたがこないから。」
…デレた。
「えーバリデレるじゃん。逆に怖い。」
こいつのデレは富士山の噴火並みに激レアだ。若干恐怖を感じるが、可愛いことには変わらない。
「だまれください。」
なにそれ可愛い。←(言っときますがこいつ受けです。)
「ねましょう。ねむいので、うでまくらになってください。」
「寝たフリしてた癖に。」
「なんのことだかさっぱりですね。」
やがて、依頼主は小さな寝息をたてた。
少し熱くなった人肌の中、僕も静かに、目を閉じた。
「…起こしちゃ悪いよねぇ…」
その後、依頼主が恥ずかしさのあまり腕の中の人物と、空気を読んだ上司をブッ飛ばし、周りが「またか」となるのは言うまでもない。
微鬼白か微白鬼（難しい単語等を調べて使ってみようと思い、書きました。間違い等ありましたらよければ指摘お願いします。雰囲気で何となく読んでくれたら嬉しいです）→←鬼白。
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作者名：赤珠（元 チョコうさ。） | 作者ホームページ：http://flower1218
作成日時：2018年3月20日 18時
