視線 ページ10
「いっやぁ、小笠原先輩とAって仲良いんですね!」
トップスピードで飛ばしてくる梨沙子
先輩と私に興味津々で、視線は行ったり来たり
顔がうるさいってまさにこういうことだ
「はは、Aちゃんが仲良いと思ってくれてるなら、そうなんじゃない?」
「え?」
「俺は仲良いと思ってるから」
爽やかに笑う小笠原先輩に心臓がもぎ取られるかと思った
有無を言わさずカッコイイ
こういうところに落ちちゃうんだろうな、みんな
「先輩〜おはようございま〜す」
ほら来た
「何あれ、1年?」
「うん。そうみたい」
梨沙子は嫌そうな顔をした
「1年が調子乗ってんのムカつく」
「ちょっと抑えてよ。彼女でもあるまいし」
「梨沙子大人しくしとけって、先輩に迷惑掛かるから」
何もやましいこともないのに3人でヒソヒソと話す
梨沙子はイライラとヒールつま先をコツコツと音を立てながら仁王立ちした
傍から見たら高慢ちきな女にしか見えない(祥子が浮かんだ)
「お待たせ。いやぁゴメンね。」
「いえ!先輩人気者ですから」
梨沙子はパッと姿勢を崩してニコニコと表情も一転させた
「何食べるの?」
「実は昨日佑亮と話してたんだけど…オシャレなハンバーガーとかどうかな」
「わ、美味しそう」
そう言うと、先輩も私の隣から覗き込んだ
肩がコツンと触れて、心臓が跳ねた
「本当だ。美味しそうだね」
「で、ですね」
小笠原先輩は私の不審な態度からなのか不思議そうな顔をして、また笑った
いつも、笑ってるな
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作者名:はに | 作成日時:2017年12月28日 1時